B再度、空の部分に手を加え、少し塗り足りないのですが日程の関係で今回はこれで出品します。6月7日(月)搬入で5月16日(日)の完成です。
 (2010.5.23)

 今年は、第41回元陽は上野の森美術館で開催(2010.10.8〜14)されるため、作品の大きさがF30号以下と制限されました。
 4年前からの「回転の島 大津島」(F100)、「追悼 沖縄健児」(F100)、「誓 ヒロシマ8.6」(F100)のシリーズ作としてはF30号では私としては発信したいことが発信しづらいのでF50号での制作としました。
 この「どっこい生きている」(仮題)は第33回グループ「集」に発表予定です。その制作過程です。 

 長崎は高校3年以来ですから、実に46年ぶりです。千円高速を利用し前日は佐賀市に宿泊、21日午前10時頃長崎に入りました。
一応、観光客風にグラバー邸、原爆資料館、平和祈念公園・平和祈念像をまわり、スケッチを取り、浦上駅近くのビジネスホテルへ入ります。
 翌朝一番に、「一本足鳥居と山王神社」へ行きました。一本足鳥居のところでは中学生がなにかメモをとっていました。そこでもスケッチをし、さらにその上の山王神社に参ります。ここでは樹齢数百年の「被爆くすのき」ががんばって生きています。……どっこい生きている……ここでもスケッチです。

 そのスケッチを元にエスキースを描きます。←写真@
でもこれでは、被爆くすのきが描きたいのか、一本足鳥居が描きたいのか訴求性に欠けます。
 被爆くすのきは広島にもあります。ここでは爆風で吹き飛んだにも関らず、懸命に生きている「一歩足鳥居」を描きたくなったので再度構成しなおしました。(記2010.4.17)

 長崎へは平成22年3月21日〜22日で取材に行きました。
 行く前から気になっていることがひとつありました。広島は原爆ドームに代表されるように、原爆に対しては怒りを伝えています。一方、長崎は「平和祈念像」に代表されるように祈りになっています。(ちなみに広島は「平和記念公園」、長崎は「平和祈念公園」)
 なぜこの違いがあるかも興味のひとつでした。
分からないまま現地に行って感じたことは、長崎は昔からいくつかの教会があり、「キリスト教的思想」で他人に祈り、慈悲、許しの思想があったのではないでしょうか。一方広島は安芸門徒に代表されるように、仏教思想で、浄土真宗の檀家が多く、権力に対して民衆的・反抗的な思想があったのではないでしょうか。
(私見ですが、広島市長は歴代のほとんどが革新系市長だったと思います。)
短時間の滞在でしたが、長崎市内のあちこちをまわっている間に気がついたことをひとことで記させていただきました。

A再度同系色で上塗りです。厚みをだすためどんどん塗り重ねます。
 鳥居部分はサンドマチユエールも入れています。(2010.5.1)

@一本足鳥居を中心に配し、山王神社の被爆くすのきは小さくしてみました。
最初はホワイトジェッソの下塗り。2回目はファンデーションホワイト(油彩)の下塗りから始めます・
 デッサンが出来上がったところから鉛筆の上からカーマインをおきました。
それからグリーンディープ。ローアンバー系でくすのきを、空の部分をインジゴとホワイトで、鳥居をハンバー系と他2色とホワイトで画面を分割しました。(2010.4.29)